基礎知識 (法人税No.95)

解散の場合の欠損金の損金算入

前回は、会社更生等による債務免除があった場合の欠損金の損金算入制度について説明しましたが、今回は、解散の場合の欠損金の損金算入について説明したいと思います。

平成22年の税制改正により、平成22年10月1日以後に解散した場合の課税が、従来の財産法による清算所得課税方式から、通常の所得課税方式に改められており、それに伴って、各清算事業年度における所得金額を計算する際、解散した法人に残余財産がないと見込まれる場合は、繰越欠損金のうち損金算入の適用期間(過去9年間)前の事業年度分(期限切れ欠損金)を、青色欠損金等の控除後で事業税の損金算入の規定が適用される前の所得金額を限度として、損金に算入することとされています。

ここで、残余財産がないと見込まれる場合とは、債務超過の状態にある場合とされ、その判定は、この措置を受けようとする各清算事業年度の終了時の現況により行います。

なお、この規定を適用する場合には、残余財産がないと見込まれることの説明書類として、清算事業年度末の処分価額による実態貸借対照表などを添付しなければなりません。

2013年10月12日

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