基礎知識 (法人税No.91)

無償返還の届出

前回は相当の地代について説明しましたが、今回は無償返還の届出について説明したいと思います。

権利金の授受をせず借地権を設定した場合で、地代の金額が相当の地代に満たないときであっても、次の2つの要件をいずれも満たす場合には権利金の認定課税はされません。

  1. 借地権の設定契約書で将来借地を無償で返還することが定められていること
  2. 無償で返還する旨を借地人との連名の書面(土地の無償返還に関する届出書 )で土地所有者の納税地の税務署に遅滞なく届け出ること

この取り扱いは、借地契約の当事者間で借地権を発生させない事を合意していれば、課税面についてもそれを追認しようとするものです。使用貸借契約で土地を使用させる場合も、この届出書を提出すれば権利金の認定課税は見合わせます。

上記のように無償返還の届出があれば権利金の認定課税は避けられますが、以後の事業年度で毎年相当の地代の認定課税がなされます。つまり、相当の地代から実際に収受している地代を控除した金額を借地人に贈与したものとされます。

地主側     (借)寄付金××  (貸)地代収入××

借地人側    (借)支払地代××  (貸)受贈益××

2013年10月11日

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