基礎知識 (法人税No.82)

収用による特別控除の特例

前回は、収用に伴い取得した固定資産の圧縮記帳について説明しましたが、今回は、収用による譲渡益について特別控除の特例について説明したいと思います。

収用による譲渡益については、以下の要件を満たせば圧縮記帳の特例に代えて5,000万円の特別控除の特例を適用することが認められています。

  1. 事業年度のうち同一の暦年に属する期間中に収用で譲渡した資産のいずれかについても圧縮記帳の適用を受けていないこと
  2. 以下の譲渡でないこと
    • 買い取りの申し出から6ヶ月以内にしなかった譲渡
    • 2年以上にわたって分割譲渡した場合の最初の年以外の譲渡
    • 最初に買い取りの申し出を受けた法人以外の者による譲渡

上記の1の要件については、事業年度内の同一暦年の期間に行われた収用ごとに、圧縮記帳又は特別控除のいずれかの特例を選択することが可能です。

なお、事業年度が異なっても同一の暦年に行われた収用の特別控除は、合計で年間5,000万円までしか損金算入できません。

また、圧縮記帳と異なり、特別控除の特例は、代替資産の取得の有無にかかわらず適用され、上記の要件を満たせば以下の算式にて計算した譲渡益を限度に、最高5,000万円を損金に算入することができます。

譲渡対価-(譲渡資産の帳簿価額+譲渡経費の額)=譲渡益

2013年9月25日

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