基礎知識 (法人税No.80)
- 収用に伴い取得した固定資産の圧縮記帳①
土地収用法などの規定に基づき固定資産が収用され補償金の交付を受け、その補償金で収用された資産に代わるべき資産を取得した場合には、圧縮記帳を行い圧縮限度額の範囲内の金額を損金に算入することが認められています。
収用に伴って取得する補償金には様々な名義や内容のものがありますが、圧縮記帳の特例の対象となるのは、収用による譲渡の目的となった資産の対価である金額(対価補償金)に限られています。従って、補償金等の中には、収益補償金、経費補償金、移転補償金などがありますが、対価補償金たる性質を持つ一部のものを除いて、これらの補償金は圧縮記帳の特例は適用されません。
次に、収用に対する代替資産について説明したいと思います。収用に対する代替資産の範囲は、以下のように規定されています。
- 譲渡資産と同一種類の資産又は権利
- 1つの効用を有する1組の譲渡資産と同じ効用を持つ他の資産又は権利
- 事業の用に供するための減価償却資産、土地および土地の上に存する権利
上記のように、収用に伴い取得した資産については、事業の用に供するものであれば、土地等及び減価償却資産のすべてについて圧縮記帳が認められ、特定資産の買換えによる圧縮記帳のように譲渡資産と買換え資産の組み合わせが厳格に定められていないという点に特徴があります。
また、代替資産の取得時期は、原則として収用による譲渡のあった事業年度内とされています。ただし、翌期以降に代替資産を取得する見込みであれば、対価補償金のうち代替資産の取得にあてる予定の金額に差益割合を乗じた金額を特別勘定として経理することができます。なお、特別勘定として経理できる期間は、原則として収用の日以後2年を経過する日までです。
2013年9月24日
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