基礎知識 (法人税No.78)

特定資産の買換えにより取得した固定資産の圧縮記帳④

前回は特定資産の買換えにより取得した固定資産の圧縮記帳についての買換資産の事業用の判定及び買換土地の面積制限について説明しましたが、今回は特定資産の買換えにより取得した固定資産の圧縮記帳の圧縮限度額の計算について説明したいと思います。

特定資産の買換えの圧縮記帳の圧縮限度額は、以下の算式にて計算した金額となります。

圧縮限度額=圧縮基礎取得金額×差益割合×80/100

圧縮基礎取得価額=買換資産の取得価額と譲渡資産の譲渡価額のうちいずれか少ない金額

差益割合=(譲渡対価-(譲渡資産の帳簿価額+譲渡経費))/譲渡対価

(差益割合は小数点以下任意のくらいで切り捨てます。)

なお、買換資産の取得は、原則として譲渡資産を譲渡した事業年度内に行う必要がありますが、指定期間(原則として翌期首から1年間)以内に取得する見込みであれば、次の算式で計算した金額を特別勘定として経理すれば損金算入が認められます。

特別勘定繰入限度額=買換資産の取得見込価額×差益割合×80/100

なお、特別勘定の経理は、損金経理のほか剰余金処分で積立金を設定する方式によることもできます。また、特別勘定を設定した時は、翌期以降の買換資産を取得した年度で買換資産の圧縮記帳を行うとともに、特別勘定の金額を取り崩して益金に算入することになります。

2013年9月23日

ページトップへ

新田会計事務所 >基礎知識 >基礎知識(法人税②) >基礎知識(法人税No.78)