基礎知識 (法人税No.76)
- 特定資産の買換えにより取得した固定資産の圧縮記帳②
前回は特定資産の買換えにより取得した固定資産の圧縮記帳についての譲渡資産及び買換資産の範囲について説明しましたが、今回は譲渡資産及び買換資産の取扱いについて説明したいと思います。
まず、譲渡資産の取り扱いについてですが、この圧縮記帳制度の適用対象となる譲渡資産は、原則として、固定資産である土地等、建物または構築物に限られます。したがって、棚卸資産のほか有価証券、機械及び装置、無形固定資産、繰延資産などを譲渡しても、この特例の適用はありません。また、短期所有土地に対する土地重課の適用対象となる土地にも、この特例は適用されません。不動産業者がもつ販売用の土地や建物は棚卸資産なので、圧縮記帳の適用対象から除かれますが、一般の事業法人が従来固定資産として使用していた土地を譲渡するにあたり、その土地にマンションなどを建築したり、その土地の区画形質の変更などを行って分譲した場合は、棚卸資産の譲渡には該当しないことになっています。
次に、買換資産の取り扱いについてですが、買換資産は新たに取得した資産に限られますので、既存の固定資産について行った改良、改造などの資本的支出は買換資産とすることができません。ただし、次のような改良、改造などは買換資産として取り扱われます。
- 新たに取得した買換資産について改良、改良などを行った場合
- 従来から所有している建物の増築、構築物の拡張または延長などのように、実質的に新たな資産を取得したものと認められる場合
買換資産は、原則として譲渡資産を譲渡した日を含む事業年度内に取得しなければなりません。ただし、譲渡した事業年度の期首以前1年以内に取得した資産も、買換資産とすることができます。また、譲渡した事業年度の翌期首から1年以内に取得する資産も特別勘定を設定することで事実上の圧縮記帳が認められます。
2013年9月23日
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