基礎知識 (法人税No.72)
- 交換により取得した固定資産の圧縮記帳①
固定資産の交換について、企業会計では、自己所有の固定資産と交換で固定資産を取得した場合、交換した資産の適正な簿価を取得原価とします。つまり、交換で損益は発生しないこととされています。
これに対して、税務では原則として、交換で取得した資産の取得価額はその資産を取得するのに通常要する価額(時価)とされており、交換取得資産の時価と交換譲渡資産の帳簿価額が異なればその差額が譲渡損益として認識されることになります。たとえば、時価3,000万円(簿価1,000万円)の土地を等価の土地と交換した時、税務上は原則として以下の処理を行うことになります。
(借)土地 3,000万円 (貸)土地 1,000万円
譲渡益 2,000万円この譲渡益は原則として益金として認識されますが、この交換には現金の収入がないため、担税力が伴ないません。また、同一種類の固定資産と交換した場合には同一の資産が継続して保有されているとみて、損益の発生を認識しないほうが実情に合っているとも考えられます。
そこで、税務上は、法人が一定の要件に適合する交換を行い、その交換によって取得した資産につき交換差益の範囲内で圧縮記帳を認めています。
(借)圧縮損 2,000万円 (貸)土地 2,000万円
2013年9月22日
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