基礎知識 (法人税No.67)

圧縮記帳の概要について

圧縮記帳とは、国庫補助金や収用等により固定資産を取得した際に、その取得価額から補助金等の額を控除した金額を取得した固定資産の取得原価とする方法のことをいいます。

この控除した金額を税務上圧縮損として損金に算入されることになるので、国庫補助金や収用等による受贈益が益金に算入されても益金と損金の両建て計上で相殺されることになります。この処理によって課税関係は消滅し、一時に過大な税金が課税されることを回避することができます。ただし、この圧縮記帳は、課税の免除ではなく、あくまで課税の繰延であることに留意が必要です。確かに、圧縮損を計上した初年度には税額負担を免れることができますか、以後の年度においては圧縮金額分だけ固定資産の取得原価が減少しているわけですから、その分減価償却費も減少することになります。(土地であれば、売却時に圧縮額分だけ売却益が生じることになります。)

設例:帳簿価額1000万円の土地を3000万円で売却し、その売却代金で新たな土地を購入した場合

売却時
(借)現預金 3000万円   (貸)土地 1000万円
                     土地売却益 2000万円

購入時
(借)土地 3000万円     (貸)現預金 3000万円
(借)土地圧縮損 2000万円   (貸)土地 2000万円

再売却時
(借)現預金 4000万円   (貸)土地 1000万円
                    土地売却益 3000万円

なお、現在認められている圧縮記帳には以下のものがあります。

  • 国庫補助金等で取得した固定資産の圧縮記帳
  • 工事負担金で取得した固定資産の圧縮記帳
  • 保険金等で取得した固定資産の圧縮記帳
  • 交換により取得した資産の圧縮記帳
  • 収用等に伴い取得した代替資産の圧縮記帳
  • 特定の資産の買い替えの場合の圧縮記帳

2013年9月20日

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