基礎知識 (法人税No.63)

ゴルフ会員権に対する貸倒引当金について

前回は、個別評価引当金について説明しましたが、今回はゴルフ会員権に対する貸倒引当金について説明したいと思います。

ゴルフ会員権は、会員制のゴルフ場プレー権であり、預託金方式と株式方式の二つの方式に分類されます。

ここで、株式方式のゴルフ会員権については、有価証券と同じ取扱いになります。従いまして、今回の貸倒引当金設定の議論となるのは、預託金方式のゴルフ会員権となります。

預託金方式のゴルフ会員権における預託金の性質は預け金であって、債権ではありません。従って、ゴルフ場の経営破たんなどにより、預託金が返還されないような状況になっても、そのままでは貸倒引当金の設定はできません。

貸倒引当金の設定が認められるためには、退会届の提出や切り捨てなどによって、預託金がプレー権を保証する預け金から、返還を受けるべき債権(預託金返還請求権)に切り替われば、貸倒引当金の設定対象となります。

そこで、ゴルフ場がたとえば民事再生法による再生手続き開始申し立てを行ったとき、その期中において退会届を提出すれば期末決算において、個別評価引当金における形式上の回収不能債権として債権金額の50%相当額の貸倒引当金を設定することが可能となります。

2013年9月19日

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