基礎知識 (法人税No.49)

資本的支出と修繕費の判定について

前回は、資本的支出と修繕費の例示について説明しましたが、今回は、資本的支出と修繕費の形式的判定基準について説明したいと思います。前回説明しました通り、資本的支出と修繕費の具体例が税法上示されていますが、これらは、あくまで例示にすぎず、現実には判断に迷うケースが多々あります。そこで、資本的支出と修繕費を判定するための形式基準が設けられています。

  1. 少額または周期の短い費用の損金算入・・・一つの修理や改良のために支出した費用が、次のいずれかに該当すれば修繕費として損金処理することができます。
    • 支出額が20万円未満の場合
    • おおむね3年以内の周期で修理や改良がおこなわれている場合

  2. 形式基準による修繕費の判定・・・資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額で次のいずれかに該当するものは修繕費として損金処理することができます。
    • 支出額が60万円未満の場合
    • 支出額が修理・改良をした固定資産の前期末の取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

  3. 資本的支出と修繕費の区分の特例・・・資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない場合には、継続適用を条件として次のいずれか少ない金額を修繕費として損金算入することができます。
    • 支出額の30%相当額
    • その固定資産の前期末取得価額の10%相当額

  4. 災害などの場合の特例・・・災害などで損傷した固定資産に対する支出額で、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものは、支出額の30%相当額を修繕費として損金処理することができます。

なお、上記の2~4の基準は、資本的支出であることが明らかな金額には適用されません。

2013年9月9日

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