基礎知識 (法人税No.44)

固定資産の耐用年数について

固定資産の耐用年数については、実務上は法人税法の定める耐用年数が採用されています。本来固定資産はたとえそれが同種のものであっても、操業度の大小や技術水準、修繕維持の程度等により個々の固定資産の耐用年数も異なるはずです。ところが、課税の公平化の観点から恣意性を排除するために、個々の資産のおかれた特殊条件に関わらず画一的に定めた法定耐用年数によるべきことを法人税法は要求しています。税法上の法定耐用年数については、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」において詳細に定められています。

ここで、耐用年数について論点となってくるのは、中古の固定資産を取得した場合です。中古資産については、新品取得の際に適用される法定耐用年数がそのまま適用されるのではなく、その資産を事業の用に供した時以後の使用可能期間(残存耐用年数)を見積もって、その期間を耐用年数として償却限度額の計算をすることができます。

ただし、この見積もりは困難であるため、以下の算式にて計算した年数をもって残存耐用年数とする簡便法が認められています。

  • 法定耐用年数の全部を経過したもの・・・法定耐用年数×20/100
  • 法定耐用年数の一部を経過したもの・・・(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20/100

上記の計算式により生じた1年未満の端数は切り捨て、年数が2年未満となった場合には2年となります。

なお、中古資産を取得し、それを事業の用に供するに際し改良などを行ったときに、改良などの費用が中古資産の取得価額の50%相当額を超えるときは上記の簡便法では適用できず、次の算式で計算した年数が残存耐用年数とされます。

(取得価額+改良費)÷(取得価額/簡便法で計算した残存耐用年数+改良費/法定耐用年数)

また、中古資産を取得して改良を行ったとき、その改良の費用が中古資産の再取得価額の50%相当額を超えれば、その中古資産は残存耐用年数で償却することはできず、法定耐用年数によらねばなりません。

2013年9月6日

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