基礎知識 (法人税No.32)

棚卸資産の取得価額について

法人税法上、棚卸資産の取得価額については取得形態の区分に応じてそれぞれ次のように取り扱われます。

  1. 購入した棚卸資産・・・購入代価+購入に要した費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税等)+消費又は販売するために直接要した費用
  2. 製造等による棚卸資産・・・原材料費、労務費及び経費+消費又は販売するのに直接要した費用
  3. その他贈与、交換等により取得した棚卸資産・・・取得時の時価+消費又は販売するのに直接要した費用
  4. 適格分社型分割又は適格現物出資により取得した棚卸資産・・・取得価額+消費又は販売するのに直接要した費用

以上のように、棚卸資産の取得価額には、購入代価や製造原価だけでなく、購入や受入れに要した費用及び消費または販売するのに直接要した費用が含まれます。ただし、付随費用のうち重要性の乏しいものは取得価額に算入しないことも認められます。

購入した棚卸資産の場合・・・次の費用の合計額が、購入代価のおよそ3%以内であれば取得価額に算入しないことができます。

  • 買入事務、検収、整理、選別、手入れなどの費用
  • 販売所間の移管費用
  • 特別の時期に販売するための長期保管費用

製造等による棚卸資産の場合・・・次の費用の合計額が、購入代価のおよそ3%以内であれば取得価額に算入しないことができます。

  • 製造後の検査、検定、整理、手入れなどの費用
  • 販売所間の移管費用
  • 特別の時期に販売するための長期保管費用

なお、次のような費用は、たとえ棚卸資産の取得や保有に関連して支出するものであっても、取得価額に算入しないことができます。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税及び都市計画税
  • 特別土地保有税
  • 登録免許税その他の登記、登録費用
  • 借入金の利子

さらに、棚卸資産を保管するのに要した費用も取得価額に算入しないことが認められています。

2013年8月31日

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