基礎知識 (法人税No.30)

資産の評価損の計上について

資産の評価損については法人税法上原則として損金に算入されません。ただし、棚卸資産、有価証券、固定資産、繰延資産等の資産に次のような事実が生じた場合や、更生手続・再生手続の開始等により評価替えをする必要が生じた場合には、損金経理で帳簿価額を減額することを条件に、帳簿価額と時価との差額を損金に算入することができます。

(1)棚卸資産
  • 災害により著しく損傷したこと
  • 著しく陳腐化したこと(例えば、季節商品で売れ残ったもの、新製品の発売により販売が困難になったもの)
  • 破損、型崩れ、棚ざらし、品質変化などで通常の方法では販売できなくなったこと

(2)有価証券
  • 上場有価証券等の時価が帳簿価額のおおむね50%以下となり、かつ、近い将来に回復する見込みがないこと
  • 上場有価証券等以外の有価証券につき、その有価証券の発行法人の資産状態が著しく悪化したため実質価額が著しく低下したこと

(3)固定資産
  • 災害により著しく損傷したこと
  • 1年以上にわたり遊休状態にあること
  • 本来の用途に使用できないため転用されたこと
  • 所在場所の状況が著しく変化したこと

(4)繰延資産
  • 支出の対象となった固定資産に上記(3)の事実が生じたこと

なお、ゴルフ会員権につきましては、預託金方式と株式方式により処理方法が異なってきます。預託金方式のゴルフ会員権の本質は優先プレー権であり、会員権相場が下落しても、ゴルフ場そのものが存続し、プレーのできる状態である限り、評価損を計上しても税務上は損金に算入されません。次に、株式方式のゴルフ会員権についてはその本質はプレー権であり、有価証券と同じ取り扱いとなります。

2013年8月28日

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