基礎知識 (法人税No.26)
- 海外渡航費の処理について
海外渡航費については、どこまでが損金算入できるのかその範囲が問題となってきますが、法人税法上、海外渡航費は以下のような取り扱いとなっています。
役員または使用人が海外渡航により支出する運賃、滞在費等の費用は、海外渡航がその法人の業務の遂行上必要なものであれば、渡航のために通常必要と認められる部分の金額を限度として損金算入できます。
ここで、業務遂行に必要かどうかについては、旅行の目的、旅行先、経路、期間などをもとに総合的に判断することになりますが、たとえば以下のような場合には業務遂行に必要と判断されます。
- 取引先との商談、契約の締結やクレームの処理等
- 工場や店舗等の視察、見学、訪問等
- 展示会や見本市などの見学
- 国際会議や海外セミナーなどへの参加
- 同業者団体や関係官庁などの訪問、懇談
上記に対して、逆に以下のような旅行は法人の業務遂行に関係ないものと判断されます。
- 観光ビザで行く旅行
- 旅行業者のパックツアーで行く団体旅行
- 同業者団体などが主催する主として観光目的で行く旅行
これらの海外渡航費については、その旅行先で法人の業務に直接関係のある仕事をしたとみなされる場合を除き、経費ではなく参加した役員または使用人に対する臨時的な給与とみなされますので注意が必要です。
次に、福利厚生の一環で従業員を対象に行う海外慰安旅行については、以下の要件を満たしていれば、福利厚生費として損金に算入されます。
- 旅行期間が4泊5日以内であること。
- 全従業員の半数以上が旅行に参加していること。
2013年8月24日
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