基礎知識 (法人税No.19) 

生命保険料処理の基本的考えについて
国内で販売されている生命保険は様々な種類があります。

定期保険や終身保険などの死亡保険、年金保険やこども保険などの生存保険、養老保険や定期付養老保険などの生死混合保険、さらには、これらに入院給付金、手術給付金、傷害給付金などの特約保険も付加されるなど、保険の種類は実に様々です。

このような法人が契約している様々な種類の保険の処理方法に対して、法人税法上の考え方は、基本的に①当該保険が掛け捨て式なのか積み立て式なのか、②保険金の受取人が誰なのか、の2つの観点によりその処理方法が定められています。

ここで、上記①②に照らした法人税法上の基本的な生命保険の税務処理の考え方は以下のようになります。
  1. 掛け捨て保険
    • 保険金受取人:会社 = 損金算入
    • 保険金受取人:被保険者の遺族 = 損金算入

  2. 積み立て保険
    • 保険金受取人:会社 = 資産計上
    • 保険金受取人:被保険者の遺族 = 役員報酬・給与

  3. 特約保険
    • 損金算入

1.掛け捨て保険については、保険金は死亡時にしか受け取れないわけですから、保険料の支払いに貯蓄性はなく、保険料支払時に損金算入することとなります。
逆に死亡保険金を会社が受け取った場合は、益金算入することになります。

2.積立保険については、保険金は死亡時だけでなく、満期又は解約時にも受け取ることができるわけですから、保険料の支払いに貯蓄性が認められ、保険金受取人が会社の場合は資産計上することとし、保険金受取人が被保険者の遺族である場合は、当該被保険者への給与とみなされます。

3.特約保険については、原則損金算入されます。

ただし、上記分類に応じた処理はあくまで基本的な考え方ですので、個別具体的な生命保険について上記と異なる処理も発生してきます。

今回は、保険の基本的な考えについて説明をしましたが、次回以降は各保険商品に対してそれぞれの処理方法について具体的に説明していきたいと思います。

2013年8月17日
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