基礎知識 (法人税No.16)
- 寄付金について②
- 前回は寄付金の分類及びそれぞれの分類ごとの損金算入限度額について説明しましたが、今回は寄付金の範囲について説明したいと思います。
法人税法上、寄付金について次のように定められています。- 寄付金、拠出金、見舞金などいかなる名目であっても、実質的に金品を贈与したり無償で経済的利益を供与すれば寄付金となります。
- 広告宣伝費、交際費、福利厚生費など何らかの見返りがある支出は寄付金とはなりません。
- 低廉譲渡を行った場合のその時価との差額のうち実質的に贈与したと認められる金額は寄付金となります。
また、寄付金は現実に支払うまで寄付金として認識されず、未払の寄付金や手形払いの寄付金などは、実際に支払いが行われるまでは寄付金としては認識されません。
次に、法人が子会社を有している場合において、法人が子会社の解散や経営譲渡などに伴って、その子会社等のために債権放棄、債務引受、損失負担などを行えば形式上は寄付行為となります。
しかし、その負担や放棄が無ければ今後より大きな損失を被ることが社会通念上明らかでやむを得ず負担や放棄に至ったなどの合理的な理由があれば、これらの負担や放棄は寄付金に該当しません。
また、子会社に対して無利息又は通常より低い利率で貸し付けを行ったりした場合、通常であれば、合理的な利率に基づき算定した利息との差額が寄付金として認定されますが、それが業績不振の子会社等の倒産を防止するため合理的な再建計画に基づいて行われるものであり、無利息、低利率に相当な理由があれば、その貸付により子会社等に与えた経済的利益は寄付金にあたりません。
2013年8月16日
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