基礎知識 (法人税No.48)

資本的支出と修繕費の例示について

前回は、資本的支出と修繕費の定義及びそれぞれの処理方法について説明しましたが、今回は、資本的支出と修繕費の例示について説明したいと思います。前回説明しました通り、資本的支出と修繕費のいずれに該当するかにより法人税法上課税所得の計算に影響を及ぼすことになりますので、法人税法は資本的支出及び修繕費に関して以下のような例示を定めています。

税法上、資本的支出については、以下のようなものが該当します。

  • 建物の避難階段の取り付けなど物理的に付加した部分の費用
  • 用途変更のための模様替えなど改造又は改装に直接要した費用
  • 機械の部品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合の取り替え費用のうち、通常の取り替えに要する費用を超える部分の金額
  • ソフトウェアの修正等で新たな機能を追加したり機能が向上する場合の費用

一方、修繕費については以下のようなものが該当します。

  • 建物の移築に要した費用
  • 機械装置の移設に要した費用
  • 地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した費用
  • 地盤沈下により海水などに侵害されるのを防止するための建物・機械装置などの床上げ、地上げ、移設に要した費用
  • 現に使用している土地の水はけを良くするなどのために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用および砂利道または砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した費用
  • ソフトウェアの修正等でプログラムの機能上の障害の除去や現状の効用の維持のための費用

上記のように、資本的支出と修繕費の具体例が税法上示されていますが、これらはあくまで例示に過ぎず、現実として上記以外の取引が発生した場合判断に迷うケースが多々あります。そこで、次回は資本的支出と修繕費の具体的な判断基準について説明したいと思います。

2013年9月7日

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