基礎知識 (法人税No.47)

資本的支出と修繕費について

今回は、固定資産の修理や改良などを行った場合の処理方法である資本的支出と修繕費について説明したいと思います。ここで、資本的支出とは、法人が固定資産の修理や改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、又は耐久性を増すこととなる支出のことをいいます。一方で、修繕費とは、固定資産の修理や改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の通常の維持管理費用、あるいは災害等に対する現状回復費用などをいいます。

このように、資本的支出と収益的支出のいずれであるかについては、その支出により固定資産の価値が増加または耐用年数が延長するか、あるいは、そのような事実はなく単なる維持修繕にとどまるかによって判断することとなります。

次に、法人税法上、資本的支出と修繕費のそれぞれに該当した場合どのような処理を行うかについては以下のとおりとなります。

  1. 資本的支出に該当した場合の処理方法・・・平成19年4月1日以降に行った資本的支出については、原則として、本体の固定資産とは切り離して新規取得資産とみなして別途、減価償却費の計算を行うことになります。ただし、事務処理の簡便化の観点から、資本的支出のあった翌期以降、本体の固定資産と一体にて償却計算することができる等の例外的処理も認められています。
  2. 修繕費に該当した場合の処理方法・・・支出した全額を損金に算入することが認められています。

今回は資本的支出と修繕費の定義、及びそれぞれの法人税法上の処理方法について説明しました。次回は、法人税法が規定している資本的支出と修繕費の具体的な判定基準について説明したいと思います。

2013年9月7日

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