基礎知識 (法人税No.20) 

定期保険の処理について
(1)定期保険の処理について

法人が契約者で役員または使用人を被保険者とする定期保険の保険料については、損金に算入されます。
全期分の保険料を一括にてまとめて支払った場合は、原則として翌期以降の期間分は前払費用として資産に計上しなければなりませんが、例外的に、1年以内に費用化するものは、支払時に損金算入することも認められています。

次に、死亡保険金の受取人が法人でなく被保険者の遺族であった場合、このような場合であっても法人が支払った保険料は損金に算入されます。
ただし、役員や部課長など特定の使用人のみを被保険者とする場合にはその保険料は役員等に対する給与とみなされ、この場合には所得税を源泉徴収しなければいけません。

ここで、被保険者の死亡により法人が生命保険金を受け取った場合には、当該保険金は益金に算入されます。

(2)長期平準定期保険の処理について

定期保険のうち保険期間が非常に長いものを長期平準定期保険といいます。(具体的には、保険期間の満了時に被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、加入時の年齢に保険期間の2倍相当数を加えた数字が105を超えるものをいい、逓増定期保険に該当するものを除きます。)

この長期平準定期保険の処理については以下のとおりとなります。

  1. 保険期間の開始後6割相当期間まで・・・支払保険料の1/2を損金算入し、1/2を資産計上
  2. 残りの4割相当期間・・・支払保険料の全額を損金算入し、上記の資産計上分を4割相当期間にわたり均等にて取り崩して損金処理

(3)逓増定期保険の処理について

定期保険のうち保険料が一定でありながら保険金が時の経過とともに逓増する保険のことを逓増定期保険といいます。
この逓増定期保険の処理については以下のとおりとなります。

  1. 保険期間の開始後6割相当期間を前払費用として資産計上し、残りの4割相当期間で均等に取り崩して損金算入
  2. 保険期間満了時における被保険者の年齢が45歳を超えるものは支払保険料の1/2相当額を資産計上
  3. 保険期間満了時における被保険者の年齢が70歳を超える場合は、被保険者の年齢、加入時の年齢に保険期間の2倍相当数を加えた数字の区分が①70歳超・95超の場合は保険料の2/3、②80歳超・120超の場合は保険料の3/4を資産計上する。

2013年8月17日
ページトップへ

新田会計事務所 >基礎知識 >基礎知識(法人税①) >基礎知識(法人税No.20)